第14回
サニエルおやこネイチャーツアー開催報告
一般財団法人サニクリーンアカデミーでは、自然体験の楽しさを通じて環境保護の大切さや理解を深めて頂くため、毎年小学生とその保護者を対象にネイチャーツアーを開催しています。
今回は佐賀県唐津・呼子で有明海と玄海灘の違いを学ぶことをテーマに実施しました。
- 日程
- 2019年9月28日(土)~ 29日(日)
- 場所
- 佐賀県佐賀市・鹿島市・唐津市
- 参加者
- おやこ19組38名
- 企画協力
- 公益財団法人 日本自然保護協会
ネイチャー佐賀(自然観察指導員佐賀県連絡会)
NPO法人唐津環境防災推進機構
中里太郎右衛門陶房
株式会社サニクリーン九州
株式会社サニクリーン
東よか干潟で生き物観察
ラムサール条約湿地に登録されている佐賀市の東よか干潟で生き物観察をしました。どろの中をぴょんぴょん跳ねる生き物を発見!「トビハゼ」というそうです。釣り道具を貸してもらい干潟にたくさんいるカニ釣りにも挑戦しました。スルメイカをエサにして、クシテガニやアシハラガニなどが釣れました。スタッフがカニに挟まれているところを目撃して怖くなったお友達もいましたが、勇気を出してカニを手に持ち間近で観察することができました。
干潟でどろんこ体験!
道の駅鹿島で有明海の干潟を体験しました。ガタ足袋(たび)という干潟体験用の足袋を履いて、みんなで恐る恐る干潟への一歩を踏み出しました。始めは足が埋まり身動きが取りにくかったのですが、板を借りてガタスキーをしたり、どろを投げ合って遊んだり、綱引きをしました。干潟に生息するムツゴロウのように全身どろまみれになって干潟を満喫しました。
宿泊は唐津シーサイドホテル
唐津シーサイドホテルに宿泊しました!夕食は、ホテルのバイキングで旬のお魚やおいしい野菜、ステーキなど好きなものをたくさん食べて夜の探検に備えました。夕食後は「サニエル」とお友達の「虹松まもるくん」がやってきて親睦を深めました。虹松まもるくんは、サニエルに負けじと大きな頭が特徴で、大好きな虹の松原を守る活動をしています。
夜の虹の松原と砂浜を探検
夕食後は、夜の虹の松原と砂浜へ探検をしに行きました。虹の松原では真っ暗で何も見えない分、耳を澄ますと虫の声が聞こえてきました。スズムシとマツムシとコオロギと…何種類もの虫の声が重なり涼し気な秋の夜を感じました。
さらに進み、夜の砂浜にいくと、ここにもたくさんのカニ(スナガニ)がいました。カブトガニの甲羅や桜貝の貝がらを見つけたり、夜の砂浜にもたくさんの発見がありました。
朝陽を浴びてラジオ体操
翌日、早起きをした人は目の前に広がる海に向かって、朝日を浴びながら気持ちよくラジオ体操をしました。
もっと早起きをした人は朝の海岸のお散歩を楽しんだようです。何を見つけたのかな?
虹の松原について
虹の松原では、虹の松原再生保全活動を行っているKANNE(かんね)の藤田さんから、虹の松原の松の木は人の手で植えられたことや、虹の松原にヤフオクドームが何個入るかなど、その広さと歴史の長さを感じる説明がありました。また、松原は民家や田んぼなどを海風や砂から守ってくれており、風を受けて斜めになりながら立っていました。人と松原は互いに守り合っていて、保全活動を止めてしまった場合、松原が2年くらいで無くなってしまった事例の紹介は、とてもショックでもあり、保全活動の大切さが響いてきました。
藤田さんからは、松原にはショウロというまるっとした珍しいきのこがあることや、2本の松がくっついている幸せの松があることも教えてもらいました。
虹の松原で松葉かき
楽しく学んだ後は、松原を守るためにさっそく松葉かきをしました。松葉かきをする前の地面は、松ぼっくりや枝、松葉が辺り一面を覆っていましたが、参加者全員、汗を流しながら保全活動に取り組みました。松葉かきは運動量もちょっとあり、松葉だらけだった地面からきれいな砂地が現れ、気持ちも晴れやかになりました。ちなみに集めた松葉の高さは約2mとなりました~~!
松原が末永く存続しますように。
中里太郎右衛門陶房(なかざとたろうえもんとうぼう)と国史跡 御茶盌(おちゃわん)窯
中里太郎右衛門陶房(なかざとたろうえもんとうぼう)では登り窯を見学しました。現在使われている窯と江戸中期から大正時代まで使われていたという国史跡の御茶盌(おちゃわん)窯を見ることができました。さらに、湯飲みやお皿などをろくろで作るところを特別に見せてもらいました。人の手できれいな形の陶器が出来上がる工程はまるで魔法のようでした。深い歴史と磨かれた技術できれいな唐津焼が誕生していることに感動しました。
呼子の磯で生き物観察
呼子の海で磯の生き物観察をしました。ウニが動くところやトゲが抜けた後の姿を初めて見たり、カメの手のような形をしたその名もカメノテという名前の貝を見つけました。海の生き物に詳しいネイチャー佐賀の前田修之さんはあちらこちらで「これ何?」と質問を受けて大忙しでした。もし、聞けなかった生き物がいたら、調べてみると楽しいと思います。新発見の生き物かもしれません。
磯の生き物観察では、知っている生き物より知らない生き物の方が圧倒的に多く、海の生物の多様性を感じました。
佐賀の自然を全身で体験するツアーになりました
今回のツアーでは、お天気に恵まれて、玄界灘と有明海、干潟と磯といった、2つの海の違いを感じることができました。
また、虹の松原では、保全活動がどうして必要なのかなどを楽しく教えてもらい、環境について考えるきっかけとなりました。
初めて見る生き物に触ったり、いつもより勇気を出して挑戦したことがたくさんありました。この思い出が参加してくれた皆さんの糧になれば幸いです。
参加者の声
頂いたコメントを、一部ですがご紹介いたします
【保護者】
- 2日間大変有意義な時間を過ごすことができました
- 自然に触れ、環境保全の意識を持つことができました
- 虹の松原の保全の話や松葉かきができてよかった。これからも美しい松原が続いてほしい
【お子様】1番楽しかったこと
- 夜みんなでお散歩してカニをつかまえたこと
- 干潟体験でどろんこになって遊んだこと
- 松葉かきと貝がらあつめ