ホーム > 調査 > アカデミーリサーチ vol.10 「飲食店」のこと、みなさんにいろいろ聞いてみました。

アカデミーリサーチ

vol.10

「飲食店」のこと、みなさんに
いろいろ聞いてみました。

ランチやディナーなど、毎日の生活の中で訪れる機会が多かった飲食店、
新型コロナウイルス感染症拡大による飲食店利用者への影響について、調査を行いました。

本当に安心・安全な衛生管理とは? 飲食店あれこれ徹底調査
まずは、飲食店利用頻度と利用するタイミングについて聞いてみました。

Q. 飲食店利用頻度と
利用するタイミングは?

●利用頻度
●利用するタイミング

「利用していない」は全体の3割、
夕食・ディナー利用の
減少幅が最大!

飲食店の利用頻度は「飲食店を利用していない」と回答した人が全体の約3割となりました。これは、前回調査を実施した2019年9月時点と比較すると約3倍になります。利用するタイミングについては、夕食・ディナーでの利用が大幅に減少しています。前回の調査との比較では、夕食・ディナーで利用する割合がマイナス25ポイントとなり、大幅に減少しています。また、軽食やドリンク・アルコールのみの利用も22ポイント下落していました。

次に、飲食店を利用した際に、気にするようになったことを聞いてみました。

Q. 飲食店利用に際し、
変化したことはなんですか?

飲食店利用に際し、変化したことランキング

人との接触は「距離」と
「時間」で減らしている!

月に1回以上飲食店を利用する人を対象に、飲食店を利用する際に変化したことを聞きました。最も多かったのは、「混雑している店を避ける」ことでした。3位には「滞在時間の短縮」がランクインしています。新型コロナウイス感染症の影響で、人と物理的な距離を保つだけではなく、時間短縮という点でも接触を減らすよう努めていることが分かりました。感染抑制と営業のバランスを取るために、席数を減らし、回転率を上げるという飲食店の取り組みは、利用者視点においても来店しやすいお店作りになっているようです。

それでは、飲食店でどういった対策をされていると安心するか聞いてみました。

Q.安心できるお店の対策は何ですか?

安心できるお店の対策ランキング

安心できる対策は
「アルコール消毒+3密防止」!

お店の対策では、「アルコール消毒」に関することや「定期的な換気」に高い安心感を得られるという結果になりました。また、座席の間隔を空けることや仕切りを設けるなど、3つの密を防ぐ取り組みも安心できるとの回答が多く得られました。

次に、お客様はどういった言葉に安心を感じるか聞いてみました。

Q.滅菌・除菌・殺菌・消毒、
最も安心できるものはどれですか?

最も安心できるものランキング

「除菌」は安心じゃない?
安心なイメージ1位は
「殺菌」だけど…

これらの言葉のイメージについて、最も安心だと感じるものを聞きました。1位は、殺菌という結果になりました。「殺」という文字が、菌に効果がありそうな印象が強いのかもしれません。2位は消毒、3位の滅菌と4位の除菌は僅差となりました。菌にとっては3位だった「滅菌」が1番恐ろしい対策といえます。除菌や殺菌は菌数について定義がないことに対し、滅菌は、対象物の全ての微生物を殺滅や除去することだからです。
(参考:日本薬局方[通則40]
https://jpdb.nihs.go.jp/jp17/jp17-1.pdf
しかし、実際の対策として大切なのは、4位だった菌を取り除く「除菌」をしっかり行うことが効果的です。

アンケート調査概要

  • ● 調査地域:全国
  • ● 調査対象:男女 20〜60代
  • ● 調査期間:
    2020年7月15日(水)〜17日(金)
  • ● 有効回答数:441サンプル
ワンポイントアドバイス

店舗の「衛生」について
専門家から学ぶ!
知っ得なっ得情報

新型コロナウイス感染抑制と経済活動のバランスを模索している昨今において、飲食店では利用者に
安心感を与える店舗作りと、本当に効果のある対策を実施することが求められています。
今回は、安心感の高いアルコール消毒について、飲食店のテーブルやカウンターなど、
人が触れる場所の正しい消毒方法をご紹介いたします。

Q. 新型コロナウイルス対策として、
飲食店はどんなところを
アルコール消毒すべきでしょうか?

手の届くところと、
くしゃみが飛ぶ範囲すべて

 店舗で消毒する目的は、飛沫感染と接触感染を防ぐことです。消毒する場所は、お客様だけでなく従業員の手が触れるところと、せき等が飛ぶところです。言い方を変えると、手の届くところとクシャミが飛ぶ範囲すべてということになります。例えば下記のような場所になります。

お客様が入れ替わる
都度消毒する場所

  • テーブルやカウンター、椅子
  • メニュー、タッチパネル、卓上ベル、飛沫防止用のつい立(仕切り版)
  • 調味料や小物類を立てるカスター及び立ててある調味料や小物類、ポット等
    ※できればカスターや調味料、ポット等はテーブルに置かないほうが良い。爪楊枝は、袋に入れた1本を料理とともに置くなどの工夫。
  • レジ回り(釣り銭トレーや透明ビニールカーテン)
    又は自動販売機や券売機のボタンや取り出し口等

定期的に消毒する場所

  • 自動ドアでない場合はドアノブやレバー
  • 手指消毒液のボトル及び設置テーブル
  • トイレのドアノブ、便器、流水レバー、便座、蓋、床
  • トイレ前あるいは内の洗面設備
  • 店舗の入り口前のエレベーターのボタン、階段の手すり
  • 厨房の調理設備、器具
  • 従業員の休憩スペース
  • 照明器具のスイッチ

Q. 飲食店のテーブルや
店内のアルコール消毒の
正しい仕方を教えて下さい。

水分や汚れを拭きとり、
消毒し、自然乾燥させる

新型コロナウイルス対策としては、感染を防ぎ、手荒れも防ぐために、マスクと手袋を着用して消毒をしましょう。テーブルなど、消毒する部分が濡れていると消毒液が薄まってしまうので、必ず水分や汚れを拭き取ってから消毒します。

水拭きや消毒は、乾いた清潔な布巾や使い捨てのペーパータオルを使用します。

濃度が70%以上のアルコール消毒液を、テーブル等に直接スプレーするのではなく、ペーパータオル等に十分含ませてから拭いてください。拭く方向は、必ず一方向。一拭きごとに、ペーパータオルもきれいな面を使用すること。清掃の順番は「きれいなところ」から「汚いところ」へ、そして「上」から「下」へ、「奥」から「手前」へと進めます。

清掃作業に使ったタオルやマスク等は、ビニール袋に入れて口をしっかり閉じてから廃棄してください。最後に手洗いをしっかりしましょう。

乾燥させることも必要なので、空いたテーブルにすぐにお客様を案内するのではなく、直前に使用したテーブルと使用していなかったテーブルを、交互に使うようにしましょう。お客様も、たとえ目の前でテーブルを清掃したからといって、前のお客様が使ったテーブルにすぐに案内されるのは心配でしょう。

アドバイザープロフィール

消費者問題研究所代表 垣田 達哉

消費者問題研究所代表
垣田 達哉

慶應議塾大学卒業。現在、消費者問題研究所代表。
食品問題のプロフェッショナル。
放射能汚染、中国食品、O157、BSE、鳥インフルエンザ、食品偽装問題などの食の安全や、食育、食品表示問題の第一人者として、テレビ、新聞、雑誌、講演などで活躍している。

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