ホーム > 調査 > アカデミーリサーチ vol.13 1年の汚れ、大そうじですっきりしていますか?

アカデミーリサーチ

vol.13

1年の汚れ、
大そうじですっきりしていますか?

「ここは年末におそうじしよう」と放置していた場所に目を向ける時が近づいてきましたね。
いざ大そうじを始めると、寒い、水が冷たい、汚れが落ちない、とみなさん苦労されていることが分かりました。
今回は大そうじの実態と頑張らない大そうじのポイントをご紹介します。

新年を迎える大そうじも「負担軽減」「時間短縮」 秋のおそうじ徹底調査
まずは、大そうじをしているか聞いてみました。

Q.年末に大そうじをしていますか?

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文化的な動機が強く
大そうじをする人は約8割!

年末に大そうじをする人は全体で約8割、毎年実施する人も55.5%と半数以上となりました。大そうじを行う理由として、単なるおそうじという位置付けだけではなく、一年の節目に住まいをきれいにしたいという文化的な動機が大きいことも分かりました。今後は少子高齢化や単身世帯の増加などの構造変化が大そうじという文化に与える影響も気になるところです。

次に、スケジュールと所要日数を聞いてみました。

Q. 大そうじのスケジュールと
所要日数は?

大そうじは1日で終わらせる。
年末近くに
実施する人が約9割!

大そうじのスケジュールは大晦日を除き、年末に近付くにつれて実施する人が多いという傾向が出ました。多くの人が忙しい年末に時間をやり繰りして実施している実態が見えてきます。所要日数は1~3日間で終わらせる人が約9割という結果になり、最も多かったのは、「1日間」となりました。「普段できなかった場所をおそうじしたい」という思いを100%満たすことは、なかなか難しいのが昨今の大そうじの実態ではないでしょうか。
60代では、12月20日以前に実施すると回答した割合が高くなりましたが、早めに実施するケースとしては、「正月事始め」とされている12月13日に実施するなどの文化や習慣なども関連していると思われます。

大そうじをする場所について聞いてみました。

Q. 大そうじする場所はどこですか?

大そうじをする人数

だから大変だった!
少人数で
様々な場所をおそうじ

普段おそうじできない場所として、キッチンや窓・網戸などの手がかかる汚れや場所を年末におそうじしています。レンジフードは秋のおそうじでは4割でしたが、年末には6割以上がおそうじすると回答しました。これらの場所は、時間的にも体力的にも負担が大きそうですが、1~2人の少人数で実施している実態も明らかになりました。

ワンポイントアドバイス

大そうじを「楽しむコツ」を
専門家から学ぶ!
知っ得なっ得情報

大そうじをする時に、どんな負担を感じるか、みなさんに聞いてみました。

大そうじは
イベントとして楽しんで!

大そうじは多くの人が「普段できない場所をきれいにする機会」であると回答しましたが、実際には、時間や体力的負担が大きく普段の汚れを落とし切れないという実態もあるようです。「汚れを落とす」は実はこの時季は不向きですが、大そうじをイベントとして楽しみ気持ちよく新年を迎えるポイントを家事ジャーナリストの山田先生に聞きました!

年末は大そうじより
自分の体を労わって

 去年の今頃、2020年がこんな年になるなんて、誰が予想したでしょうか?
 みなさんにとっても、予想外の一年だったと思います。その2020年ももうじき終わります。来年こそは!と新しい年を迎えたいですね。
 そんな気持ちもあり、今年は年末大そうじに気合を入れて!という人もいると思います。でも、ちょっと待ってください。毎年、年末大そうじが原因で、体調を崩したり、腰や肩を痛める人が大勢います。それに加えて、まだ感染が収束していない新型コロナウイルスです。病院へ行くのもタイヘンです。まずは自分の体調を守ることを優先しましょう。

大そうじには
不向きな場所がある

大そうじの時にキレイにしたい場所として、キッチンや窓・網戸が挙げられます。残念ながら、これらは年末のそうじには不向きです。

キッチンの中でも、とくにレンジフードなど油汚れをキレイにしたい場合は、寒い冬よりも、むしろ暖かい時季の方がキレイになります。窓や網戸も、冬の風と乾燥ですぐにホコリをかぶります。そして、その先には花粉や黄砂でまた汚れます。

年末はどこをキレイにする?

僕のおすすめは、家の中の白い部分と光る部分です。人間の先入観とはおもしろいもので、本来白いはずと思っているものが汚れていると、違和感をもちます。光っているはずのものも同様です。逆にいうと、白物と光り物が汚れていないと、キレイに感じます。例えば、白物家電、スイッチパネル、照明、蛇口、鏡、ドアノブなどです。

僕個人としては、玄関は年末のそうじに外せない場所です。忙しくて十分そうじできない年でも、玄関だけは散らかった靴を片付け、ほうきで砂埃を掃き出し、迎え花を飾って、新しい年を迎えたいです。これはそうじというか、もはや儀式です。

大そうじ後の食事も決めておく!
イベントとして楽しもう!

年末の大そうじは、このようにそうじとしての実利よりも、儀式としてのイベントで良いと思います。

例えば、年末のそうじには向かない窓そうじも、家族で外と内に分かれて「そっちの汚れ?」「こっちかな?」と両方から確認しながらそうじすると、確実にキレイにできます。ついでに、両方から拭きながら「今年はタイヘンだったよね」と一緒に振り返るのも良いと思います。ちょっとした工夫で、やらされる苦行から、イベントにできます。新しいそうじグッズを試すのも楽しいと思います。

できれば、家族一緒にそうじして「キレイになったなぁ!」「気持ちいい!」という感情を共有できるといいですね。でも、普段、そうじをしない家族を巻き込むのはタイヘンです。大切なのは、終了時刻やそうじ箇所を決めて取り掛ることです。ダラダラやらされると、うんざりしてしまいます。そこで、終わった後の食事も事前に決めておく方が良いと思います。例えば、食べに行く予定やデリバリーを予約しておくと、強制的に終わります。参加する方は安心できます。

大そうじを頑張らないために

こう言っては身もフタもありませんが、普段から小そうじ、中そうじをしておけば、大そうじの必要はありません。溜めておくから大そうじが必要なのです。なぜ溜まるか?それはそうじしにくい環境と、そうじする習慣づけが整っていないからです。それを改めるのは、年末の大そうじという機会でなくて良いと思います。年末は、気持ちよく新年を迎えるためのそうじと割り切っていいでしょう。

アドバイザープロフィール

家事ジャーナリスト、スーパー主夫、社会福祉士 山田 亮

家事ジャーナリスト、
スーパー主夫、社会福祉士
山田 亮

ロジカルな視点で「楽に家事をする」方法 を日々実践し、「楽家事ゼミ」を主宰して情報提供や家事指導を行う。また、大学や専門学校での研究教育経験(社会福祉学、家族社会学)や社会福祉士の視点から、家族や家事の在り方を考える「家事ジャーナリスト」としても活動。全国の自治体や企業などで男女共同参画、ワークライフバランス、子育て支援、人権啓発についての講演を行っている。
中日・東京新聞、日経新聞「日経プラス1」での連載をはじめ、女性誌や育児雑誌での執筆、テレビ出演も多数。著書『プロ主夫山田亮の手抜き家事のススメ』(宝島社)。

アンケート調査概要

  • ● 調査地域:全国
  • ● 調査対象:男女 20〜60代
  • ● 調査期間:
    2020年8月27日(木)〜9月3日(木)
  • ● 有効回答数:400 サンプル
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