ホーム > 調査 > アカデミーリサーチ vol.24 小学生のおそうじに関する調査「自宅のおそうじ篇」

アカデミーリサーチ

vol.24

小学生のおそうじについて
調査を実施しました。

おそうじは教育の一環?それとも時短?
多忙な現代、イマドキの小学生のおそうじについて調査しました。

小学生のおそうじに関する調査❝自宅のおそうじ篇❞ 小学生のおそうじに関する調査
まずは、自宅でおそうじをしているか聞いてみました。

Q. 自宅でおそうじをしていますか?

自宅のおそうじ有無 自宅でおそうじする場所

小学1年生の半数が
おそうじする場所は?
高学年になるほど
「子供部屋」は自分で。

小学生が自宅でおそうじする場所のTOPは「子ども部屋」が66.3%となりました。
高学年になるほど、子ども部屋をおそうじする割合が高くなり、小学6年生の8割が自分でおそうじしていることが分かりました。小学1年生は他の学年より「お風呂」掃除をする割合が高く50.0%がおそうじしていることが分かりました。

次に、自宅でおそうじする理由や動機について聞いてみました。

Q. 自宅でおそうじする理由や
動機はなんですか?

自宅でお掃除する理由・動機 家でおそうじをした後の気持ち

自宅のおそうじをする動機は
「親に言われたから」が
半数以上

自宅でおそうじをする理由や動機は、「親に言われたから」が51.2%となり、受動的な理由がTOPとなりました。一方で、「きれいになったことが実感できるから」25.9%、「部屋が汚いと思ったから」23.2%となり、自分自身でも納得しておそうじしている様子がうかがえます。
家でそうじをした後の気持ちは、8割以上がきれいになっていると実感しており、おそうじによる達成感を得ている模様。

おそうじをして良かったことについて聞いてみました。

Q. おそうじをしてよかったことは?

おそうじをしてよかったと思うこと

おそうじして良かったこと、
半数が「感謝された」

おそうじをしてよかったと思うことは「きれいになった」ことを実感できるという回答が45.3%とTOPとなり、次いで「すっきりした気持ち」41.3%となりました。2人に1人は親や先生など他者から「感謝された」ことが良かったと回答しました。自分自身の達成感だけではなく人に喜んでもらえることがモチベーションとなっていることが分かりました。

アンケート調査概要

  • 調査地域:全国
  • 調査対象:男女20~40歳(小学生のお子様と同居している方)
  • 調査期間:2022年2月4日(金)~2022年2月8日(火)
  • 有効解答数:400サンプル
  • ※小学1~6年生の子どもと同居している保護者を対象に、小学生のおそうじに関する調査を実施 ※調査データは全て「小学生」に関する回答
ワンポイントアドバイス

児童心理学のエキスパートに
お話を伺いました!
知っ得なっ得情報

自発的なおそうじを
促すコツとは

今回の調査結果から、小学生は「親に言われたから」おそうじをするという人が多いということが改めて分かりました。今回も、児童心理学のエキスパート、鴨川さんに自宅のおそうじを自発的にしてもらうためのお話を伺いました!

あるあるの裏に
隠れているもの

今回の調査結果を見て、みなさんはどう感じましたか?

  • 高学年になるほど「子ども部屋」を自分でおそうじしている
  • おそうじをする理由や動機は「親に言われたから」が半数以上
  • おそうじして良かったこと、半数が「感謝された」

一見すると、「あるある」と頷ける、当たり前の結果に感じますよね。親に言われて重い腰を上げる子どもたちの様子が目に浮かぶようです。この当たり前の結果には、ちょっと注意したいポイントがあります。

おそうじをする理由・動機として「親に言われたから」という回答が一番多いというところ。つまり、子どもがまだおそうじをしようと思っていないタイミングで、親がおそうじするように言っているということです。おそうじのモチベーションがない子がおそうじに向かうためには、親がおそうじの理由・動機となるモチベーションを提供する必要があります。それはご褒美をあげるということかもしれませんし、逆にやらないと叱られるという恐怖心かもしれません。何をモチベーションと感じるかは、人それぞれ違います。

ある行動をやろうとするとき、自分の内側からモチベーションが湧き上がってくることを「内発的動機づけ」、他の人から言われたりご褒美をもらえたりなど外部からモチベーションが与えられることを「外発的動機付け」といいます。

今回の調査結果をもう一度見てみると、子どもたちは、外発的な動機付けでおそうじをしている傾向にあるようです。しかし、子どもたちが「自発的に行動する」ためには、内発的な動機付けが必要です。学年が上がるにつれて、きれいにしたいという自分にとってのモチベーションがある場所(子ども部屋やリビング)以外の場所のおそうじをしなくなっているのは、おうちのおそうじが、内発的な動機付けに結びついていないためかもしれません。

自発的な
おそうじを促すコツ

では、自発的なおそうじは、どうやったら促せるのでしょうか?自分からやりたいと思えるために大切なのは、「構造化」と「習慣化」です。

例えば、おそうじが苦手な子でも、燃えるごみと燃えないごみをきちんと分けて捨てていたり、歯を磨いた後には歯ブラシをブラシ立てに戻していたりしますよね。ごみ箱が種類によってわかれているように、やることがはっきりしていると取り組みやすくなりますし(構造化)、何度もくり返すうちにその身に付いてくる(習慣化)と、その行動をするのが当たり前になっていきます。

「おそうじしなさい」とただ伝えるよりも、「この本を、自分の部屋の棚に持って行ってね」と、構造化された言葉で伝える方が「やろうかな」と思えるかもしれません。また、低学年のうちから、これはこうするとわかりやすく示しながら一緒におそうじをし、習慣化をしていくことで、「自分にもできる」「それをやるのが当たり前」という感覚を育てていきましょう。

アドバイザープロフィール

益社団法人 日本環境教育フォーラム ジャパンGEMSセンター 鴨川 光

公益社団法人
日本環境教育フォーラム
ジャパンGEMSセンター
鴨川 光

茨城県出身。早稲田大学大学院で子どもの思考力やファシリテーションについて研究し、2013年より現職。
子どもを対象とした科学と数学の探究学習プログラムGEMS(ジェムズ)をベースとした研修を各地で行っているほか、企業のCSRや社内研修に携わる。幼児~シニアまでさまざまな世代ワークショップをしながら成長中。

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