ホーム > 調査 > アカデミーリサーチ vol.27 家庭のおそうじに関する意識調査「おそうじの意識篇」

アカデミーリサーチ

vol.27

家庭のおそうじに関する
意識調査を実施しました。

家庭のおそうじについて様々な視点で調査した結果、
時短、省力化に加え環境配慮など、意識の多様化も見えてきました。

家庭のおそうじに関する意識調査❝おそうじの意識篇❞ 家庭のおそうじに関する調査
まずは、家庭のおそうじについて意識していることを聞いてみました。

Q. 家庭のおそうじについて
意識していることは?

家庭におけるお掃除意識

手軽でストレスが
かからないおそうじを望む

家庭におけるおそうじに関する意識は、全体的に「省力化」や「時短」を望む結果になりました。VOL26で紹介したおそうじとストレスの調査結果を考えても納得の結果といえそうです。環境配慮については、積極的に意識しているとは言えないものの、「どちらでもない」を選択する割合が増えています。「耐久性」などのように繰り返し使えて「環境配慮」と「経済性」や「(交換する)手間の省力」を両立できる場合は「当てはまる」と回答している人が増えています。おそうじの意識として、「手軽」であることが最優先されることが分かりました。

次に身に付けたい掃除知識や方法について聞いてみました。

Q. 身に付けたい掃除知識・
方法はありますか?

身につけたい掃除知識・方法(全体) 身につけたい掃除知識・方法(性年代別)

年代別では、おそうじの
楽しみ方にも興味

全体では、手間や時間がかからず簡単にできる掃除方法を身に付けたいという結果になりました。性年代別に見ると、女性20~30代は「好きな香りの手作り洗剤などを使用した楽しめる掃除」を望む回答が全体の21.3%に対して10ポイント以上高くなりました。掃除を充実したものにしたいという意向もあることがうかがえます。また、女性50~60代は幅広い掃除知識・方法を身に付けたいという傾向になりました。

家庭のおそうじにおける環境意識について聞いてみました。

Q. 自宅のおそうじの際に、環境に
ついて
気になることはありますか?

気になることはない 20代の環境意識

20代は他年代と
比較して環境意識が高い

自宅でおそうじをする際に環境に対して気になることを聞いてみました。
全体では4割が「気になることはない」と回答しました。しかし、20代は消費電力や汚水の排水量などが気になると回答した割合が比較的高く、環境負荷を優先した掃除が大切という価値観を持っている割合が他の年代より高いことが分かりました。

アンケート調査概要

  • 調査地域:全国
  • 調査対象:男女 20~60歳
  • 調査期間:2022年7月25日(月)~7月27日(水)
  • 有効回答数:400サンプル
ワンポイントアドバイス

サステナブルな暮らし方が
素敵な服部雄一郎さんに
お話を伺いました!
知っ得なっ得情報

サステナブルなおそうじは
ストレスを軽減

マイクロプラスチック問題などを耳にする機会も増え、おそうじと環境負荷との関係も今後はより一層大切なテーマとなりそうですね。今回は、サステナブルな暮らし方が素敵な服部雄一郎さんにお話を伺いました!

そうじもなるべく
サステナブルに

わが家は「そうじもなるべくサステナブルに」と心がけています。具体的には、たとえば、「強い薬剤に安易に頼らない」「無駄に電化製品を使わない」「使い捨てのお掃除グッズを乱用しない」etc。また、なるべく持ち物を減らし、スッキリと暮らすことで、そもそも掃除をシンプルで簡単なものにしたいと考えていて、そうすることで結果的にすべてがよりサステナブルに循環しはじめる気がするのです。

わが家の日々の基本の掃除は、京都の老舗で購入した棕櫚(シュロ)のほうきで床を履くorお寺のようにぞうきんで水拭き。「え、アナログ…!」って思われるかもしれませんね。でも、掃除機を使わなければ、掃除機の騒音とも無縁、絡まる電気コードとも無縁、押し入れから引っ張り出す手間も、中に押し込む手間もなし。フィルター交換の手間も、買い忘れの心配もないし、掃除機が故障して買い替えなければならない心配も一切ないわけですから、実はかなり幸せ度が高いんですよ。

そのままほうきで履くと埃が舞い立ってしまうので、前の日に飲んだ紅茶やほうじ茶の茶殻を掃除用に取っておいて、床にパラパラっと撒いてから掃きます。すると茶殻の水分が埃をうまく吸着してくれて、びっくりするくらいきれいに掃きあがります。ジャスミンティーやアールグレイを飲んだ次の日は、すばらしい香りの掃除時間が待っていて、本当にお得です。20~30代の女性は「好きな香りの手作り洗剤などを使用した楽しめる掃除」に関心が高いそうですが、ぜひおすすめしたいです!

タワシやスポンジも、市販品は使わず、庭で育てたヘチマを使い、最後は庭に戻します。自然の造形美が美しく、使い勝手も申し分なし。もちろんプラスチックフリー。お金もかからず、個人的にはいいことづくめですね。

「必要な分量以上には
使わない」
「無駄に動かさない」

もちろん、必要なら薬剤や市販のグッズの手も借りればいいし、掃除機も使えばいいと思うんですよ。でも、「必要な分量以上には使わない」「無駄に動かさない」――これは「エコ」云々以前に、コストや電気代、手間の意味からも当然なことですよね。

わが家も、モノが多すぎて散らばっていると掃除が大変になります。「モノが多い」のはそれ自体サステナブルではないので、モノの整理はサステナブルの前提条件。

頭に浮かぶのは、ある有名な料理研究家さんの台所です。雑誌でもよく紹介されるそのセレブのような台所は、誰もが息をのむほどピカピカなのですが、ご本人は「特別な掃除法はありません。すぐに拭けば、油汚れも洗剤なしで落ちますから。ラクでしょう?」とサラリ。個人的にはこれはエコの極致を示しているように思います。「手間をかけない」「時短」は「環境意識」の対極みたいに思われがちですが、必ずしもそんなことはないのです。

アドバイザープロフィール

翻訳家・文筆家 服部 雄一郎

翻訳家・文筆家
服部 雄一郎

翻訳家・文筆家。高知在住。町役場のごみ担当職員を経て、UCバークレー公共政策大学院へ留学。インドなどで廃棄物NGOに勤務した後、高知の山のふもとでよりサステイナブルな暮らしを志す。家族の暮らしを綴った妻との共著に『サステイナブルに暮らしたい』『サステイナブルに家を建てる』。訳書に『ゼロ・ウェイスト・ホーム』『プラスチック・フリー生活』『みんなの地球を守るには?』ほか。

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