ホーム > 調査 > アカデミーリサーチ vol.41 家庭の防災に関する調査“防災用品の選び方”

アカデミーリサーチ

vol.41

家庭の防災に関する
調査を実施しました。

家庭の防災に関する調査を実施しました。
今回は家庭の防災用品の選び方について
調査結果をご紹介します!

家庭の防災に関する調査“防災用品の選び方”篇 家庭の防災に関する意識調査
まずは、防災用品を選ぶ際に重視した点は何か聞いてみました。

Q. 防災用品を選ぶ際に重視した点は?

防災用品選択時の重視点

重視点は“価格”・
まずは“揃える”ことも優先

防災用品の重視点は「価格」が4割でTOPとなりました。続いて「持ち運びやすさ」39.9%、「使いやすさ」37.7%となりました。「まずは大まかに揃えること」を重視した人は3割となりました。

次に、防災用品を備える際に苦労したことは何か聞いてみました。

Q. 防災用品を備える際に
苦労したことは何ですか?

防災用品を備える際に苦労したこと

防災用品を備えるとき
“優先順位”に苦労

防災用品を備える際に苦労した点は「価格との折り合い」が37.4%とTOPとなりました。続いて、「災害規模や状況を“想定”しながら選ぶこと」が34.0%、優先順に関することが並びます。
必要な物や必要数量などを、想定しながら選ぶことに苦労している様子がうかがえました。

防災用品を備える際に参考にした情報は何か聞いてみました。

Q. 防災用品を備える際に
参考にした情報は?

防災用品を備えるときに参考にした情報

参考にした情報は、
インターネットが最多

防災用品を備える際に参考にした情報は、インターネットが最多となり47.7%となりました。
次いで、テレビやラジオからの情報が36.4%。専門家からのアドバイスを参考にできた人はわずか3.4%という結果になりました。

備えに対する安心感(または不安感)はどの程度か聞いてみました。

Q. 現在の自然災害への備えに対する
安心感(または不安感)はどの程度ですか?

現在の備えへの安心感

約半数の人が備えに対して
不安に思っている

自然災害に備えて何かしらの備えをしている人(n=321人)のうち、現在の備えに対して不安に思っている人は45.2%となり、安心18.4%を大きく上回る結果となりました。

アンケート調査概要

  • 調査地域:全国
  • 調査対象:男女20代〜60代
  • 調査期間:2024年6月13日(木)~6月17日(月)
  • 有効回答数:500サンプル
ワンポイントアドバイス

災害発生への備えとして
防災用品を
選ぶ際のポイントをご紹介!
知っ得なっ得情報

防災用品の選び方では多くの人が苦労していることがわかりました。
また、何かしらを備えている人でも不安に思っている人が多いですね。今回は、防災用品を備える際の優先事項や考え方を専門家の先生に教えて頂きます!

防災用品を選ぶ際には、通常の生活にどのような支障が出るかを「想像してみる」ことが大事です。1番共通するものとして、電気、ガス、水道などのライフラインの途絶です。

【停電の影響】予想外の不便と対策

そのなかでも、停電について取り上げます。東日本大震災では、延べ486万戸が停電しました(東北電力管内)。懸命な復旧作業が行われ、震災3日後で約80%、8日後には約94%まで解消されましたが、停電中は予想以上に不便を感じました。それは、停電になってから初めて使えなくなることを知るものがあるからです。例えば、石油ファンヒーター、電源を必要とするタイプの電話機、また、パソコンで災害情報の収集をする場合、内蔵バッテリーがあれば可能と思っていても、停電でルーターが使用できないとインターネットにつながりません。ご家庭の暖房機器、電話機、給水方式、ネット環境などを「停電したら」の観点で確認しておくことをお勧めします。

【停電対策】進化する技術と備え

携帯電話への充電のための備えとしては、モバイルバッテリーの常備です。停電の代替手段として、電源を必要としない石油ストーブ、電話機、充電式のルーターを、また、停電による断水に備えて、飲料水の備蓄をしておくことが大事です。最近では、電気自動車のバッテリーから家庭に電気を供給できるシステムもでてきましたし、災害用ポータブル電源(バッテリー)も普及しています。技術の進歩とともに、災害への備え方も進歩しています。

【停電の間接的影響】水の重要性と清潔さの維持

次に停電によって電気製品を使えないという直接的な不便だけでなく、間接的な影響についてです。特に高層の建物の場合、停電によってポンプが停止して断水になることがあります。水は飲料だけでなく、お掃除などの洗浄、入浴にも使用します。お掃除ができないとホコリの吸引などで健康を害してしまいます。また、湯船に浸かったり、シャワーを使用できなくても、身体を濡れたタオルで拭くことで清潔さを保つことができます。おなかを満たすための非常食や水はもちろん大事ですが、疲弊した心を温めるため、清潔さを保つ備えも是非、取り組んでみてください。

【防災用品の選び方】コストと日常利用の両立

調査では、【防災用品を備える際に苦労したこと】は「価格との折り合い」が37.4%とTOPとなりました。これは、災害時だけに使用するもの、使うかどうかわからないものに、支出することへの抵抗感もあるかもしれません。「フェーズフリー」の考え方で、災害時だけでなく、普段使いできる防災用品を選ぶこともお勧めです。

アドバイザープロフィール

阿部 清人

東北福祉大学
防災士養成研修講座講師
サイエンス
インストラクター
阿部 清人

身近なものを使った、あっと驚く科学実験を楽しく紹介するサイエンスショーが大好評。また、防災士の視点から防災に役立つ実験を行う「防災サイエンスショー」が注目を集めている。全国各地での講演は年間100回を超える。東日本大震災が発生した2011年3月11日はNHKラジオに出演し、防災士として被災者へ共助を呼びかけた。現在、アナウンサーの経験を活かし、自然災害の被災地調査やリポートも精力的にこなし、放送や講演、執筆を通じて新しい防災のあり方について提言している。宮城県仙台市在住。

ページ先頭へ