vol.51
前回のVol50では、お弁当を「誰のために作るか」によって食中毒予防意識に差があることが明らかになりました。今回は、高い食中毒予防意識を持っている一方で、調理時には時間がなく“経験や感覚”に頼らざるを得ないなどの課題があることが分かりましたので紹介します。
短時間・当日調理が主流のお弁当作り
お弁当作りにかける時間は、「15~30分未満」が最も多く、全体の4割半ばを占めています。また、作るタイミングは「すべて当日に調理する」という回答が最も多く、忙しい朝の限られた時間の中で手早く作られている様子がうかがえます。
短時間で当日に調理をするスタイルは、できたてを詰められるというメリットがある一方、一つひとつの工程を丁寧に確認する余裕が生まれにくいという側面もあります。
加熱は「意識している」が、
「確認していない」
肉や魚の加熱については、8割以上の人が「加熱を意識している」と回答しています。しかし内訳を見ると、「中心まで火が通っているか必ず確認する」は4割弱にとどまり、「経験上、十分に加熱できていると思うレベルまで加熱している」という回答が4割半ばと最も多くなっています。この結果から、加熱の可否を温度で確認するというよりも、経験や感覚に基づいて判断している人が多いことが分かります。
時間がないときほど、判断は簡略化される
「時間がないときの対応」として多かったのは、「前日に作る」「市販の冷凍食品を解凍せずに使う」といった回答でした。さらに、子どもが中高生以上の家庭では「加熱時間を短縮する」といった対応も全体より高くなっています。
時短の中で省略してしまう調理工程が、食中毒のリスクにつながる可能性がありました。
調理器具への不安はあるが、対処は曖昧
調理器具の衛生面で不安に感じるものとしては、「プラスチック製のまな板」(傷に菌が残りそう)「スポンジやふきん」(菌が繁殖しやすそう)が上位に挙げられました。一方で、お弁当箱の洗浄方法は「洗剤のみ」が7割以上を占めています。 多くの人が不安を感じながらも、「何をすれば十分なのか分からない」まま、これまでの習慣的な洗浄方法を続けている様子が読み取れます。
まとめ
今回の調査結果からは、家庭でのお弁当作りで食中毒予防への意識は高いものの、加熱や調理器具の管理といった場面では、作り手それぞれの経験や感覚に判断が委ねられている実態が見えてきました。
これらの課題は、忙しい日常の中で簡単に安全を判断できる目安やリスクを低減させるために優先することについて情報が十分に届いていない可能性があります。作り手の負担にならない分かりやすい基準や、無理なく取り入れられる工夫が、家庭における実効性の高い食中毒対策につながると考えられます。
アンケート調査概要
- ●調査期間:2026年2月5日(木)~2月9日(月)
- ●調査地域:全国
- ●調査対象:男女 20~70代
- ●その他の条件:お弁当を自分自身で作る方
- ●有効回答数:322サンプル
①自分のためにお弁当を作る:210サンプル ②人のためにお弁当を作る:209 サンプル
※①・②の回答数は延べ419ですが、両設問に該当する方が含まれるため、実回答者数は322となります。
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