vol.7
「飲食店」のこと、みなさんに
いろいろ聞いてみました。
ランチやディナーなど、毎日の生活の中で訪れる機会の多い飲食店。
今回は、全国の20代から60代の男女を対象に、飲食店の利用についての実態調査を行いました。
お店選びのポイントや利用するときに気になる点など、さまざまな調査結果による情報をお届けします。
飲食店を利用する際、みなさんはどのような点が気になりますか?
今回は、調査結果の中でも、多くの意見が集まった「清潔感」について、
気になる場所や与える影響などの傾向をご紹介します。
Q. 飲食店で清潔感が
気になる場所はどこ?
半数以上が「トイレ」
「テーブル・椅子」が気になる!
この調査結果によると、自分自身が接触する「トイレ」や「テーブル・椅子」などの清潔感が気になると回答した人が多くな りました。
男女で異なる傾向が見られ、男性は20%、女性12.5%が「特に気になるところはない」と回答しました。女性の ほうが様々な場所の清潔感が気になるようです。
Q. 飲食店で気になる汚れの種類は?
見た目だけでなく、
においや感触も気になる!
「トイレ」「テーブル・椅子」「床」は見た目だけではなく、においや感触なども十分に気を付けておそうじすることがポイントのようです。
また、おそうじの頻度や仕方、道具を見直すことで、見た目だけの清潔さにとどまらず、食中毒対策など衛生状態も高まり、お客様に安心して利用頂けるお店になりそうです。
Q. 気になる汚れがあったら、
再来店に影響する?
TOP2…非常に影響する+やや影響する BTM2…あまり影響しない+まったく影響しない
清潔さとリピートは
関係ありますか?
汚れが気になるお店は、次回以降来店するかどうかに大きく影響することが分かりました。清潔感に問題がある店舗は、お客様に不快感や食中毒などの不安を与えてしまう可能性も考えられます。店舗全体の清潔感を効率的に維持するために、おそうじをする場所に優先順位を付けるなどの工夫をすることで、リピートにつながるのではないでしょうか。
せっかくの料理も台無し、
清潔感のなさが悪印象に!
トイレが汚れていたり、ベタつきやゴミ、さらにはムシなど、飲食店で気になった“清潔感のなさ”。お客様のエピソードから、店舗に対する不信感や悪いイメージとして記憶に残る様子が窺えます。
●トイレが清潔ではない・汚れている
トイレがちゃんと清掃されていない店は、その他の場所もきちっと清掃されていない場合が多いです。飲食店で衛生管理を徹底するのは基本中の基本だと思います。(男性60代)
トイレが汚いのはあり得ないと思った。
そんな店はなんとなくすべてが雑な感じがして二度と行きたくないと思う。(女性50代)
●ベタつき・油汚れ
テーブルに手をおいたときにベタベタすると、
とても食事をしようという気分ではなくなる。(男性40代)
焼肉屋で、テーブル、床が油汚れでぬるぬるしていた。運ばれてくる皿なども、ベタついていて食欲が失せた。(女性20~30代)
●虫・ゴキブリがいる
店で食べていたら、目の前をゴキブリが横切ってその店に行かなくなった。(女性20~30代)
料理の中に小さなゴキブリが数匹入っていて食べる気が無くなりました。(女性60代)
●不潔で清掃が行き届いていない
店内の清掃が行き届いていないと、
来店を後悔して何を食べても感動が無くなった。(男性60代)
料理が美味しいのに清潔感がなくて嫌な思いをしたことがある。(女性20~30代)
●ゴミや食べかすが落ちている
前の人がこぼしただろう食べかすや、
ホコリ、ゴミが落ちていて、掃除した形跡がない。(女性20~30代)
テーブルや椅子に髪の毛や食べかすが落ちていた。(女性20~30代)
アンケート調査概要
- ● 調査地域:全国
- ● 調査対象:男女 20〜60代
- ● 調査期間:
2019年9月7日(土)〜12日(木) - ● 有効回答数:400サンプル
店舗の「清潔感」に
ついて専門家から学ぶ!
店舗自体のイメージを左右し、次回来店へ及ぼす影響も大きい“清潔感”。
今回は、さまざまな業界でのコンサルタントを行うプロフェッショナルから、
店舗の清潔感を実現し、維持するためのノウハウを伺いました。
店舗の清潔さを
実現させる
手順と環境づくり
Q. どうしたら店舗の清潔さを
実現できますか?
店長やスタッフが一体となって
清潔な店を目指すこと!
飲食店の「清潔さ」を実現することは容易なことではありません。店長が一人で頑張ったとしても他のスタッフが店を汚してしまったり、汚れを放置したりしていては店全体を「清潔」にはできないからです。大切なのは、店長やスタッフが一体となって清潔な店を目指すことです。
第一歩は店長の意識と基準
まず、店のリーダーである店長が清潔さの必要性・重要性を認識すること。つまり、店を清潔にしたらどのようなメリットがあり、清潔でない場合はどのようなデメリットがあるかを理解し、店長が清潔な店にしようと強く意識することから始めます。
そして、どのような状態が清潔なのか、そうでないのかの線引きをする「清潔さの基準」を持つことが大切です。それには清潔な店を多く見て最高に清潔な状態とはどの水準なのかを決めていくこと。店舗の清潔さのレベルは店長の清潔さ基準で決まります。
全員に伝えていく
店長は意識と基準をスタッフ全員に伝えていきます。例えばテーブルやイスの清潔さとはどのようなものか、店長が実際に清掃して基準を示し、どこまで清潔にすれば良いのかを伝えると同時に、お客様やスタッフに何をもたらすのかを考えさせます。時間はかかりますがスタッフの意識を変え、基準も向上させていきましょう。こうした一歩一歩の積み重ねで、清潔な環境が築いていけます。清潔な環境では汚さない、汚れたらきれいにすることが当たり前になる。ディズニーランドなどは良い例です。
システム、清掃トレーニング
「きれいにする」という気持ちだけでは高いレベルの清潔な店は作れません。まず必要なものは道具、用品、洗剤で、店舗用の良質なものを揃えて使いやすくしておきます。そして、いつ誰がどこを清潔にしていくのか仕組みを作りシステム化します。何も指示しなくても自動的にスタッフが動くようにし、継続的に清掃やメンテンナンスや衛生管理が実行されることで常に清潔な店になるようにするのです。さらに、実際にスタッフが清掃をきちんと実行できるようにするには、誰もが理解でき、同じようにできる手順書(マニュアル)をつくり、それを教えるトレーニングが大切です。
Q. 上記の手順の中で
1番大切なことは何ですか?
店長の意識と基準を
店全体に伝え浸透させること!
最も大切なことは店長の意識と基準を店全体に伝え浸透させることです。スタッフに言葉だけではなく、実施方法や完成基準を率先垂範で教え、トレーニングを継続的に行い、養っていくことが大切です。そのためには、店長も自身のレベルを上げなければなりません。店長は自分の“分身”を育成し、彼らの力を借りながら、全スタッフの意識や基準、そして実践トレーニングもレベルを上げていきます。そのように育成された一人ひとりの力を結集して、店全体で清潔さを目指して取り組んでいきましょう。
アドバイザープロフィール
日本マクドナルドで17年間勤務し、店長、スーパーバイザー、海外駐在、人事本部人事統括マネージャーを歴任。1993年よりコンサルタントとして活動を開始し、1999年人材育成ベーシック社を設立、社長に就任。店長育成、トレーニング、クレンリネス、サービスなどをテーマに飲食、理美容、小売、企業など様々な業界向けにセミナーを開催。東洋経済社、日本のコンサルタント101名の1人に選出される。
調査結果からも「清潔感」は、
店舗のイメージやリピート利用に
大きな影響を与えることがわかりました。
いつでも、誰にとっても快適な
飲食店であるように、
お客様目線の「清潔感」を把握し、
専門家のアドバイスとともに、
ぜひお役立てください!