ホーム > 調査 > アカデミーリサーチ vol.8 「飲食店」のこと、みなさんにいろいろ聞いてみました。

アカデミーリサーチ

vol.8

「飲食店」のこと、みなさんに
いろいろ聞いてみました。

ランチやディナーなど、毎日の生活の中で訪れる機会の多い飲食店。
今回は、全国の20代から60代の男女を対象に、飲食店の利用についての実態調査を行いました。
お店選びのポイントや利用するときに気になる点など、さまざまな調査結果による情報をお届けします。

初めて利用する飲食店、“従業員”のどこが気になる?

料理のクオリティは高いのに、接客マナーに問題があると、
お店全体が残念なイメージになってしまいます。
今回は、初めて利用した飲食店での“従業員”のサービスについて、
みなさんが気になった点を調査してみました。

まずは、実際に利用してみて感じたギャップ、その内容を聞いてみました。

Q. 初めて利用する
飲食店で感じたギャップは?

初めて利用する飲食店のギャップランキング

味そのもの以外にも、気になるのが
「従業員の対応」!

「従業員の対応」は初めて利用する飲食店でギャップを感じたこととして第2位にランクインしています。約4人に一人が回答していますが、男女別・年代別の傾向としては、女性の方がよりギャップを感じる傾向が強く、年代別では、40代50代の回答が多くなっています。

「従業員の対応にギャップを感じた」割合

「従業員の対応にギャップを感じた」割合
では、「従業員の対応が悪い」お店には、どのような印象を持つのでしょうか。

Q. 従業員の対応が悪いお店の印象は?

従業員の対応が悪いお店の印象ランキング

従業員の対応の悪さが、店全体の
イメージにつながる!

調査結果によると、男性より女性の方が、従業員の対応の悪さを店全体のネガティブイメージに関連させて捉える傾向が出ています。対応の悪さを感じた際、7割の女性が「従業員の教育がされていなそう」と感じ、5割の女性が「お店の雰囲気がよくなさそう」という印象を持つという結果になりました。さらに、「掃除が行き届いてなさそう」「清潔感がなさそう」と続き、従業員の対応の悪さは、お店全体の“清潔感”にもマイナスなイメージを与えてしまっています。
また、サービスを重要視する層では、お店の雰囲気や客層、料理の味や見た目などにも、悪い印象を感じていることがわかりました。

従業員の気になったこと、お客様が経験したエピソードを伺いました。

ちょっとした対応も、
お客様は見ている!

態度や言葉遣い、オーダーミス、気配りなど、さまざまなシチュエーションでの対応。エピソードを伺うと、その良し悪しが、次回の来店機会にも影響を及ぼしているようです。

態度が良くない・無愛想

店員の態度が横柄な店があり、味は非常に良かったが、二度と行っていない。(男性30代)

愛想が悪くて教育がされていないところは、
店の味にもマイナスな面が出ていると思います。(女性50代)

オーダーミス・待たされるなど

呼んでもオーダーを取りに来ない。水ですら出て来ない。
しまいにはオーダーを間違えられた。(女性30代)

オーダーを間違えて言い訳をする。
結局、間違えられた高い料金を支払うことに。(男性60代)

言葉遣いが良くない・なれなれしい

言葉遣いや態度がすごく悪く、二度と来るかと思ったお店がある。(男性40代)

従業員の受け答えの言葉遣いや態度が気になると、
それだけで印象が悪いお店になります。(女性20代)

清潔感がない

長髪を束ねておらず、
ドリンクのグラスに髪先がつきそうになってヒヤヒヤした。(女性40代)

あまり清潔感のないスタッフがいるお店は行きたくない。(女性60代)

店員同士の私語が多い

店員同士で会話をしていて、こちらの質問を無視されたことがあります。(男性60代)

ずっとおしゃべりしていたり、
なれなれしい言葉遣いをされると不快に感じる。(女性50代)

アンケート調査概要

  • ● 調査地域:全国
  • ● 調査対象:男女 20〜60代
  • ● 調査期間:
    2019年9月7日(土)〜12日(木)
  • ● 有効回答数:400サンプル

「従業員の対応」について
専門家から学ぶ!
おそうじまめ知識

初めて訪れた飲食店、味や雰囲気はもちろん、従業員の態度ひとつも、
お店全体のイメージに影響します。今回は、人材育成や組織づくりに関する
コンサルタントを行うプロフェッショナルから、接客教育のノウハウを伺いました。

それぞれの接客教育を、
バランス
良く実践する

Q. 従業員の接客教育の
ポイントは何ですか?

2つの接客教育を
分けて考えること!

作業スキル
ホスピタリティ言動

接客教育は、大きく分けると2つあります。
まずは作業スキル、もうひとつがホスピタリティマインドから発せられるホスピタリティ言動です。オペレーションが間違いなく、かつ効率的に進められるようになるための作業スキルと、お客様により快適で心地よく飲食していただくためのホスピタリティ言動。どちらも非常に大事で、どちらかが欠けるとお店の存続が難しくなります。
しかし、この2つには、習得するためのステップに大きな違いがあります。従って、接客をひとつで括らずに、この2つを分けて考えること、分けて教育していくことが大事です。

Q. 2つの接客教育は、
どのように行うのですか?

目的にあった
接客教育を実践すること!

ひとつめの作業スキルは、繰り返し実施することによって習熟度が上がっていきます。言い換えれば、作業スキルは慣れで向上していくのです。しかし、いきなり見様見真似でやらせるのでは効率も効果も低くなります。
覚えておきたいポイントは2点。

① 最初にコツやポイントを
しっかりと伝えること

そうすることでその後の成長スピードは格段に上がります。また人による成長のバラつきも少なくなってきます。

② 作業の意味(目的)を
伝えていくこと。

なぜ掃除をするのか?なぜカスターセット※の場所を揃えるのか?などを明確に伝えます。
これがもう一つのホスピタリティ言動を育てていくことにも繋がります。最初にこれをしっかりと実施した上で、後は何度も実践すれば作業スキルは向上していきます。
※塩や醤油、つまようじ等テーブルにセットされた容器のことを指します。

一方、ホスピタリティマインドは作業を繰り返しても向上していきません。むしろ作業を覚えよう、間違いのないようにしようと思えば思うほど、手元を見て、お客様の顔を見なくなってしまう、すなわちホスピタリティマインドが減退してしまうのです。だからこそ冒頭で申し上げた通り、作業スキルとホスピタリティ言動の教育は分けて考える必要があるのです。
Vol.9で、どうやってホスピタリティ言動を教育していくのかをお伝えします。

アドバイザープロフィール

株式会社アンドワークス
工藤 昌幸

飲食店にて店長や統括マネージャーなどを歴任後、2002年株式会社アンドワークス創立に参加し、コンサルティングを展開。SV、店長教育、組織作りだけでなく、現場でのOJT指導を得意とすることから実践に落とし込む育成で定評がある。現在は人材育成や組織作り、接遇指導、開業のサポートや講演などで幅広く活躍している。

飲食店での接客マナーは、
お客様にとって、
お店全体の
雰囲気までも
印象づけることがわかりました。
初めての利用が、次回につながり、
さらに多くリピートしてもらえる
飲食店に不可欠な従業員の接客教育。
今回の調査結果ならびに
専門家からのアドバイスを、
ぜひお役立てください!

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