ホーム > 調査 > アカデミーリサーチ vol.29 シニア世代のおそうじ意識調査❞家事・不用品篇❞

アカデミーリサーチ

vol.29

シニア世代のおそうじ意識調査を
実施しました。

シニア世代の家事やおそうじについて調査しました。
年齢と共に負担を感じる家事や楽しむコツも紹介します。

シニア世代のおそうじ意識調査❞家事・不用品篇❞ シニア世代のおそうじに関する調査
まずは、自宅に眠る不用品について聞いてみました。

Q. 自宅に眠る不用品は何ですか?

自宅に眠る不要品ランキング?

シニア世代の半数が回答!
自宅に眠る不要品
第1位は「本」

シニア世代の約半数が自宅にある不要品として「本」と回答しました。性年代別でみると、女性60代では全体と比較し不用品と回答した種類が多く、特に「精密機器」「食器」が全体と比べ10pt以上、「家電」「家具」「調理器具」が5pt以上高くなりました。

次に、不用品をどうしているか聞いてみました。

Q. 不用品をどうしていますか?

不用品の処分方法

使える物でも捨てている!
シニア世代の不要品処分方法

不用品をどうしているか調査したところ、「リサイクルショップなどに売って換金する」が最も高く42.0%となりましたが、「不用品であれば捨てる」と回答した割合も高く40.5%となりました。年代別でみると、年代が低い50代では「リサイクルショップなどに売って換金する」割合が高いですが、60代・70代では「不用品であれば捨てる」割合が高くなる傾向があり、年代間で不用品に対する行動の違いが見られました。

年齢と共に負担を感じる家事について聞いてみました。

Q. 年齢と共に負担を感じる
家事は何ですか?

年齢と共に負担を感じるようになった家事

年齢とともに負担になった家事
2TOPは“「掃除」・「片付け」”

年齢と共に負担を感じる家事は、「掃除全般」が1位で45.0%となり、次いで「部屋の掃除」が35.8%となりました。

負担を感じるようになった理由は
「体力低下」・「足腰が弱った」

家事の中でも掃除や片付けに負担を感じるのは、年齢と共に体力が低下したことや足腰が弱ったことを原因と考える人が多いことが分かりました。

「掃除全般」に負担を感じる理由

面倒・億劫

年齢とともに丁寧さが欠け、次第に面倒くささを感じるようになった。(70〜75歳)

掃除するのが億劫に感じる事が多くなり、簡単に済ませるようになってきた。(60〜64歳)

疲れる・体力の低下

窓そうじなど、届きづらい場所の掃除が、若い時より疲れやすい。(50〜54歳)

体力の低下で継続して作業が出来ない。(60〜64歳)

腰が痛い・足腰が弱ってきた

病気になって腰が痛くて動けなくなった。(55〜59歳)

足腰が高齢により弱ってきたから。又、基礎体力の低下が感じられるから。(65〜69歳)

「部屋の片付け」に負担を感じる理由

面倒・億劫

片付けなくてはいけないが、年齢とともになかなか取り掛かることが億劫になった。(70〜75歳)

ものが増えていくが整理をする時間もなく面倒に感じる。(65〜69歳)

面倒くさくなってきた。散らかっていても暮らせると思うようになった。(65〜69歳)

腰が痛い・足腰が弱ってきた

物を持ち上げたりすると腰が痛い。(65〜69歳)

足腰の衰えで、サクサクと動けない。(60〜64歳)

腰が痛いので、細かい作業がやりにくくなった。(50〜54歳)

物が多い

片づけをしようとすると物が多すぎて困る。(65〜69歳)

次第に荷物が増え、片付けられなくなってきた。(70〜75歳)

重い物を持つのが大変

重い物を持ったり、動かしたりすることができなくなっている。指に力が入らない。(60〜64歳)

やはり大きくて重い、テーブル、ソファーとの移動等がつらいです。(70〜75歳)

楽しんで行っている家事について聞いてみました。

Q. 楽しんで行っている
家事は何ですか?

楽しんで行っている家事

「日用品の買い物・料理」は
楽しい!

シニア世代が楽しんでいる家事は「ない」が半数という結果になりました。毎日のことなので意識せずにこなしているのかもしれませんが、そんな中、「日用品の買い物」「料理」は楽しんで行っている方が比較的多いことが分かりました。

おそうじを楽しむコツは運動!
片付けは音楽やラジオ。
シニア世代におそうじ・片付けを
楽しむコツを
教えてもらいました!

おそうじを楽しむコツ

運動の代わり

毎日のルーティンだと思い、運動の一環だと思ってやれば、楽しい。(65〜69歳)

掃除は結構、体力を使うので、運動代わりに行っている。無理をせず、疲れたり、飽きたら区切りのいいところで止めるようにしているので長続きする。家がきれいになると嬉しいし、気分転換になる。(60〜64歳)

毎日行う・こまめに行う

毎日全体的に掃除をする事で汚れが少ない。すぐ綺麗になる。(50〜54歳)

ためずにその都度気になった時にこまめに片づけたり、掃除をしている。(60〜64歳)

その他

家事の後のビール。(55〜59歳)

音楽に合わせて掃除機をかけたり、拭き掃除しながらラジオを聴いたり、普段他の事をしているとラジオを聞けないので掃除をする時がラジオを楽しむ時間にしている。(65〜69歳)

汚れが取れるメカニズムを考える。(50〜54歳)

どうやったら時間を短縮出来るか創意工夫する。(55〜59歳)

DIYできるところを探しながら。見つけたらDIYで製作、補修、修理する。それが楽しい。(65〜69歳)

片付けを楽しむコツ

音楽やラジオを聴きながら行う

音楽を聴きながら楽しく当たる。(65〜69歳)

気に入っているジャズを聴きながら片付ける。片付いた後に何をするかを想像しながら片付ける。(50〜54歳)

好きなラジオ聞いたりリラックスしながらやる。(50〜54歳)

こまめに行う

まとめてすると疲れるので、こまめに気になった時にする。(60〜64歳)

いっぺんにすべて片付けようと思わない。少しずつ決めて、今日はここ、明日はあそことかやれば一日の達成感が増す。(65〜69歳)

こまめに整理整頓。(65〜69歳)

その他

綺麗に整頓したあとの快適さをイメージする。(50〜54歳)

終わったら好きなものを食べるようにしている。(50〜54歳)

いらないものはすぐに捨てる。好きなものしか置かない。(50〜54歳)

次に使うときのこと、使い方を考えながら片付ける。(65〜69歳)

都度、部屋の家具の配置を変えてできるだけ大きな収納となるよう工夫する。(65〜69歳)

アンケート調査概要

  • 調査地域:全国
  • 調査対象:男女 50~75歳
  • 調査期間:2022年12月15日(木)~12月19日(月)
  • 有効回答数:400サンプル
ワンポイントアドバイス

シニア世代の
お掃除のポイントを伺いました!
知っ得なっ得情報

身体的負担が大きい家事である掃除について、負担を軽減するための掃除の考え方を伺いました!

汚れのポイントは
「重なり方」だけ

汚れの注目ポイントは、種類ではなくて「重なり方」。
下の図を見てください。春先の雪国の雪のイメージ。
昨夜たっぷり降った雪の下にはシャーベット状、芯は、地面に貼りつくアイスバーン。

7・2・1 は、大きさの比率。
「7」は新しくて大きくて湿っていて、柔らかいから簡単に取れる。
「1」は古くて小さくて乾燥していて、硬くてなかなか取れない。
ホコリもカビも、排水口のドロドロも、ガスレンジや便器のガンコな汚れも
表面の汚れだけなら洗剤がなくても取れる。
年を取って、掃除は大変だからと億劫になってきたあなた。
この3つの層のうち、どれを取りますか ?
そう、「7」ですよね。だって簡単だもの。
でも、いざ「掃除」となると「2」や「1」が気になってしかたがない。
「手抜き ?」「サボリ ?」「中途半端 ?」という言葉が頭をかすめて・・・
本当は、ここからが大変。
雪国でも「1」を取るときには特殊な除雪車がものすごい音を立てるもの。
気合いだけで戦っても、時間もお金もかかって疲れるのに、取れない。
「7」を簡単に取ったら「2」や「1」はあきらめて、さっさと次の「7」へ行く。
「7」と「2」の境目は、「手につかない」こと。
つまり「手につかない汚れはあきらめる」のが勝ちパターン。
「10」だった汚れが「3」になると「あら、キレイ」という快適レベルです。
「7」の綿ボコリやヘドロ、カビのフワフワは健康にも害があるし、
ニオイもあるので取っておきたいけれど
「2」や「1」は化石みたいになっているから、それもない。
我が家の貴重な歴史として、寝かせておきましょうよ。
年を取ってからのお掃除は、ブラシで払う、掃く、ペーパーで拭く、サッと拭く。
それだけで上等。

それでもガンコな汚れを
取りたいときは

年を取ってからお掃除で「がんばろう」と思うと、実は危険がいっぱい・・・
ブレーキとアクセルをしっかり使い分けてくださいね。

ブレーキは3つ。

【洗剤】

よく落ちる洗剤は高いし、こわい。
デリケートな素材にシミができたら悲しいし、咳が出るし、手も荒れます。
食器洗いの洗剤とクリームクレンザーを使って「安全運転」を心がけましょう。

【硬い道具】

金属ブラシや、ゴツゴツしたナイロンタワシ。
「やった !! 落ちた !! 」と思ったら傷だらけに・・・

【パワー】

力いっぱい、「前向きに」「きっちり」磨き続けてしまいますね。
「後もうちょっと」と思うと、途中でやめられないし・・・
筋肉痛ですめばいいですが、腱鞘炎になったら大変です。

では、アクセルは何 ?

【水】

時間が経って乾燥して硬くなっている汚れも、濡らすと少しはやわらかくなります。
濡らす方法は、形状によっていろいろ。
水平な状態なら、水をかけておきます。
壁のようにタテの面なら、洗剤の泡をたっぷり付けたペーパーで湿布。
部品のような細かいモノは、コンビニ袋に洗剤液を入れてつけおきします。

【熱】

汚れが速く落ちるのは、常温よりもお湯。

【時間】

濡らしたら、そのまま置きます。
30秒でも、10分でも、1時間でも、ひと晩でも。
つけ置いた分だけ、ガンコな汚れも少しは柔らかくなります。
その間は放っておいて、他のことができますね。

【回数】

柔らかくなった分だけ、軽くこすって落とします。
無理して、力まかせにガリガリこすらないこと。

お湯でぬらして、置いて、かるく落とす。それを繰り返す。
汚れの種類に関係なく、やり方はこれだけ。
遠回りだけど、安全な方法です。

タイミングを
つかめば楽チン

「今日はこれをやらなきゃ」という自分の都合より
「落ちたい」「落ちたくない」という汚れの声を聞いてみて。

「水」と「熱」が出る時にタイミングを合わせると、とてもラク。

【季節】

年末は大掃除には向きません。乾燥していて気温が低いから。
もしもチャレンジするなら、真夏日。油汚れもトロリとしています。

【天気】

窓ガラスを拭くのは、雨上がり。汚れがゆるんでいて落ちやすい。
からっ風の強い日は、クロゼットや棚や靴箱を開けて風を通しましょう。
雨が降る前にバルコニーや玄関ポーチを掃いておく。排水口のゴミも取っておく。

【寝ている間に】

ガスレンジに2mmぐらいお湯を張り、洗剤をかけて寝ます。
翌朝ペーパーで拭くだけで、けっこうキレイに !! (バーナーに水をかけないこと)

【どうせ水や熱が出るタイミングでちょこっと】

トイレの水を流しながら、柄付きブラシで便器内を軽くこする
レンジ台で調理しながら、横壁やレンジ台周辺を拭く
電子レンジから料理を出す時に、庫内をサッと拭く
パスタのゆで汁を流しながら、排水口をこすって水ですすぐ
入浴中にタイルの目地 (壁・床) をブラシで軽くこする
お湯を沸かした後の熱いヤカンの肩に濡れタオルをのせ、しばらく置いて軽くこする。

アドバイザープロフィール

響城 れい(日々きれい)

響城 れい
(日々きれい)

お掃除コンサルタント。女性活躍応援コンサルタント。 神戸大学教育学部卒業。女性だけのハウスクリーニング運営20年、3,000件以上を施術。全国のシルバー人材センターで、高齢者に楽しい掃除と接客マナーを教えている。東京ガス、三菱地所、旭化成ホームズなどで顧客対象のお掃除&お片づけセミナー講師。警視庁、県警本部、全国の商工会議所イオン、ベルーナ、越前信用金庫、綜合警備保障、日赤医療センターなどで女性管理職育成のための研修講師。著書に「とことんやらない掃除術」(電子書籍)「20歳から始める女性の幸せキャリアの作り方」「社長、業績を上げたいなら女性社員を辞めさせないで」「仕事力を育てる新・片づけ術」ほか多数。NHKテレビ「まる得マガジン・掃除編」TBS「はなまるマーケット」出演。小澤征爾指揮「交響曲第九番」合唱団員。フルマラソン完走7回。公式サイト
 https://hibikirei.com

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