ホーム > 調査 > アカデミーリサーチ vol.30 シニア世代のおそうじ意識調査❞おそうじの負担篇❞

アカデミーリサーチ

vol.30

シニア世代のおそうじ意識調査を
実施しました。

前回の調査ではシニア世代が掃除や片付けに負担を感じていることが分かりました。
今回はシニア世代のおそうじの負担について調査結果を紹介します。

シニア世代のおそうじ意識調査❞おそうじの負担篇❞ シニア世代のおそうじに関する調査
まずは、年齢と共に負担を感じるおそうじについて聞いてみました。

Q. 年齢と共に負担を感じる
おそうじは何ですか?

シニア世代が負担を感じるお掃除ランキング

年齢と共に負担を感じる
おそうじは?
ずばり全てです。

年齢と共にどんなおそうじに負担を感じているかを聞いたところ、手間のかかる水回りや家具の移動が必要なワックスがけなどが1位となり67.2%。次いで高いところのおそうじが66.7%、窓のサッシなどの細かいところのおそうじが61.7%と上位3位は6割を超えました。
しかし、内容に関わらず様々なおそうじに負担を感じていることがうかがえます。

次に、諦めているやらないおそうじについて聞いてみました。

Q. 諦めているやらない
おそうじはありますか?

シニア世代が諦めているやらないおそうじランキング

もう諦めた!やらないおそうじ
1番多いのは“高い場所”

シニア世代が“諦めている・やらないおそうじ”について調査したところ、天井や棚の上などの高い場所のおそうじが36.8%となりました。
次いで、換気扇などの分解を伴うおそうじが27.8%、押し入れなどの重い物が多く入っている場所が25.8%となりました。汚れていても来客時などに目につく場所でもなく、身体に負担がかかったり、掃除前に分解や重い物を除くなどの手間がかかる掃除は諦めている傾向がありました。

おそうじが原因のケガや体の不調があるか聞いてみました。

Q. おそうじが原因のケガや
体の不調はありますか?

ない 43.5% ある 56.5% おそうじが原因のケガや体の不調ランキング

おそうじが原因のケガや
体の不調は
半数が経験あり!
腰痛は突出して多い

56.5%の人が掃除が原因でケガや体の不調を経験していることが分かりました。その内容は「腰痛」が圧倒的に多く約6割の人が経験ありと回答しました。
負担に感じる家事別に見ると、「家事の中で掃除や片付けが負担に感じる」と回答した人では他の回答者と比較して、ケガや不調を経験している割合が高くなった。掃除の負担や諦めている掃除などは、これらのケガや不調の経験が原因のひとつになっていることがうかがえる。

アンケート調査概要

  • 調査地域:全国
  • 調査対象:男女 50~75歳
  • 調査期間:2022年12月15日(木)~12月19日(月)
  • 有効回答数:400サンプル
ワンポイントアドバイス

シニア世代のおそうじと安全衛生について
専門家から学ぶ!
知っ得なっ得情報

シニア世代では多くの方がおそうじが原因でケガや体の不調を経験していました。
おそうじの際に気を付けるポイントを下村労働衛生コンサルタント事務所 下村医師からに教えて頂きました!

シニア世代の
おそうじと安全衛生

東京消防庁管内では、令和3年中、日常生活における事故により、約12万3千人が救急搬送されています。救急搬送の半数以上を高齢者が占めています。
4割以上の方が入院の必要があると診断されています。
発生場所では、「住宅等居住場所」が最も多くなっています。
シニアは加齢に伴い、体力、筋力、内臓機能などの身体機能が低下しています
それに加えて、清掃は、不自然な姿勢での重労働です。
自宅のお掃除は「危険作業」という認識を持ち、安全第1に行うべきです
そのためには、健康管理、リフォーム、不安全行動の3つが重要です
健康なくして安全はありえません。食事・睡眠をしっかりと取り、体調の良いときにそうじをすべきです。
長引くコロナ禍のために、自宅で閉じこもりがちになると、運動機能や感覚機能が弱まり、その結果、怪我のリスクが高まります。
そろそろ、日頃から可能な限り体を動かしましょう。
盲点になりやすいのが、目の病気です。視力や視野にも気配りが必要です。メガネの矯正と着用を忘れないようにしましょう。
めまいや身体の節々の痛みは、不安全行動の原因にもなりますので、
持病の治療の徹底も重要です。
眠気の出る薬にも注意が必要です。
重大な事故の原因として問題視されるのが、「転倒」・「墜落」・「衝突」です。
つまずかない・転落しない・滑らない・ぶつからないために、居住環境を整備し、掃除中に危険行動をしないということもポイントです
室内を、整理・整頓することによって、掃除空間を広く取ることが可能になり、怪我のリスクは軽減します。

物を片付けることへの抵抗感を感じるシニアは少なくありませんが、
費用のかからない、究極の安全対策です。元気なうちに、物を捨てる勇気を持ちたいものです。
動線上(家の中で歩く通路)には電気ケーブルなどの障害物を撤去し、階段や段差には手すりや滑り止めを設置、足元にはライトを設置しましょう。
多くの怪我は手間、時間、コストを省くことを優先し、慣れや過信から、生まれた危険行動によって、発生します。
慎重に行動することが求められます。
両手に物を持たない・手すり使う。安易な履き物や滑りやすい靴下を使わない。洗面台や便器に登らない。狭い場所で急に姿勢を変えない。
段差を意識する。といったご注意をお守りください。
ちょっとした怪我がきっかけで、その後の人生が変わってしまう、中高年は少なくありません。
不安を感じた時は、無理をせず、家族や業者に任せましょう。

アドバイザープロフィール

下村労働衛生コンサルタント 事務所所長 株式会社サニクリーン産業医 下村 洋一

下村労働衛生
コンサルタント
事務所所長
株式会社サニクリーン
産業医
下村 洋一

医師・日本医師会認定作業医・労働衛生コンサルタント・社会保険労務士。
京王電鉄グループ専属産業医・京王百貨店診療所所長を経て、2005年前日本で初めて嘱託産業医業務に特化した事務所を都内に開設。
顧問先多数
https://kenkouzukan.com/

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